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Netflixオリジナル映画『キング』 ネタバレなし感想 ティモシー・シャラメが尊い!

Netflixオリジナル映画『キング』 ネタバレなし感想 ティモシー・シャラメが尊い!

Netflixオリジナル映画『キング』を自粛前に京都みなみ会館で鑑賞しました。

大好きなティモシー・シャラメ出演作が劇場で観られる機会を逃すわけにはいきません。
この映画を最後に3月以降は映画館に行けていません。

目次

Netflixオリジナル映画『キング』スタッフ

Netflixオリジナル映画『キング』のスタッフで気になっていたのはブラット・ピットが製作にかかわっているという点。
彼はこのまま重点を製作側に置くのでしょうか…。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』での演技がとてもワイルドでエロティックで好みだったので、本音を言えばブラピはやっぱり製作側ではなく、俳優として活躍してほしいという気持ちが強いのですが我儘は言っていられませんからね…。

ちなみに監督は同じくNetflixオリジナル映画『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』を手掛けたデヴィッド・ミショッド。
脚本は俳優でもありNetflixオリジナル映画『キング』にも登場しているジョエル・エドガートンと共同というのも興味をそそります。

Netflixオリジナル映画『キング』感想

Netflixオリジナル映画『キング』はウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ヘンリー四世』の2部作や『ヘンリー五世』に着想を得た作品です。

そのため史実とされるヘンリー五世の姿と異なる描かれ方をされていると思います。
また、『キング』の作品分類はヒューマンドラマであるという点を鑑みると、シェイクスピアの戯曲にかなり近い形で映画化されているといってもいいのかもしれません。
映画を観て興味がでた人や、より理解を深めたい人はウィリアム・シェイクスピア著『ヘンリー四世 一部・二部』を読んでみるのも良いでしょう。

映画『キング』のヘンリー五世像

シェイクスピアの戯曲『ヘンリー四世 第一部』『ヘンリー四世 第二部』では怠惰な放蕩息子として描かれたハル王子ですが、『ヘンリー五世』においては立派な王に成長しフランスの遠征に乗り出していきます。

Netflixオリジナル映画『キング』においてもこの流れは変わりません。
しかし、映画はよりハル王子としての弱さや繊細さを内包したヘンリー五世を描いています。

自分一人では生きていけないような弱さ。
人を殺すことに対する罪悪感と恐怖。

毅然とした態度の裏に隠された、ハル王子としての弱さを映画では周囲の人々を通してみることができます。
戦争に対してもどこか否定的というか、少しでも犠牲を出さずに遂行しようという考えが見えるのです。

Netflix『キング』のヘンリー五世には常に傍で支えてくれる人がいました。

【ハル王子時代】
 ●側近二人(特にフォルスタッフ)
【ヘンリー五世時代】
 ●妹君
 ●フォルスタッフ
 ●結婚相手のキャサリン

彼らはヘンリー五世が立派なイングランド王になる過程において、真実に目を向けさせるような役割を持って登場しています。
特にフォルスタッフにおいては戯曲では王になった後は追放されてしまうのですが、映画では王自ら迎えにいくとう展開。

登場人物の扱いについても映画独自の解釈をしています。
シェイクスピアの戯曲と比較して観てみるのも面白そうですね。

ティモシー・シャラメの演技

Netflixオリジナル映画『キング』の一番の見どころはやっぱりティモシー・シャラメの演技
私がティモシー大好きという点を差し引いても、名演技と言えるでしょう。

何といっても特徴的なのは目の演技ですよね!

酒浸りになってどろんとした目をしているハル王子から、弟トマスを助ける兄として、そしてイングランドの王ヘンリー五世として、全てを演じ分けています。
特に酔っぱらっている演技が本当に目がどろんとしていて焦点が合っていない感じがするんですよ…。

俳優さんは目とか顔の演技が人並み以上に出来る人が多いです。
例えばホラー映画『IT』のペニーワイズを演じているビル・スカルスガルドは斜視を自力でできますし、コメディ映画『マスク』の主演俳優ジム・キャリーは顔が伸びるとも言われています(笑)
最近観た『ミッドサマー』でもクリスチャン役のジャック・レイナーは薬を盛られた後から目の瞳孔がずっと開いてましたし。
もしかしたらティモシーも瞳孔の開き具合を調節できたりするのかも…??
と改めて感じさせられた映画です。

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あと『キング』は地味にサービスショットが多い映画なんです。
●裸で白昼寝転ぶティモシーを見ることが出来る。
●長髪ウェーブから短髪までティモシーの髪型を堪能できる。
●英語とフランス語を話すティモシーを見られる。
これだけで大分ファンサービスになってますよね。

エンタメではない映画

Netflixオリジナル映画『キング』はエンタメ映画として観ると退屈に感じてしまうかもしれません。
一つ一つのカットはとても印象的ですし、美しく残酷で見ごたえはあります。
シェイクスピアの戯曲を知っている人には面白い脚色がされていると思います。
全編を通して感じたのは、ゆっくりとヘンリー五世に寄り添って彼の状況や悩みに対して一緒になって観客も寄り添うことが要求されているということ。

イングランドの王となった彼が誰を信じて、これからどう進んでいくのか。
戦争や戦いをどのように捉えていくのか。

この点に関して興味を持てる人に観てもらいたい映画です。
ロケーション撮影や時代ものなので衣装など、かなりお金がかかっている作品なんじゃないかな…

あと、生首とか斬首のシーンがはっきり映るのでグロテスクな映像が無理な人は避けてください。
光が少し硬く、彩度は高いけれど明度は低めの映像なので周りを暗くして観ることを推奨します。

Netflixオリジナル映画『キング』まとめ

Netflixオリジナル映画『キング』はNetflixでのみ観ることができます。
おうち時間のお供として麗しいティモシー・シャラメの演じるヘンリー五世を堪能するのもいいかもしれませんね。
個人的には『君の名前で僕を呼んで』が最高なのでこちらもティモシー・シャラメ代表作として是非観てください!

Call me by your name
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